top of page

Arisa Ihashi
Visual Print Artist
ロンドン芸術大学でファッションとテキスタイルデザインを学び、2017年に帰国。
玩具やお菓子が持つ人工的な色彩、そして歪みのないシンメトリー——私はこの二つに、宗教画が宿す洗練と安定を重ねて見る。どちらも「現実には存在しない」という共通点を持ち、その矛盾のなかにこそ、私の制作の核心がある。リアルを素材としながら、フィクションを生み出すこと。それが私にとってのアートの本質だ。
ジュール・ヴェルヌは言った——「人間が想像できることは、必ず実現できる」。私はその言葉を逆説的に受け取る。空想や想像は、まだ存在しない現実の予告であると同時に、現実そのものに新たな価値を与える力を持っている。私の作品は、その想像の領域を視覚として提示する試みだ。
近年は「日常から生み出される非現実世界」をテーマに制作を続けている。日常に存在するモチーフを再構成し、対称性と鮮烈な色彩によって現実には存在しえない世界へと変換する。日本に古くから伝わる「鏡はもう一つの世界を映す」という概念を下地に、文化と日常が交差する独自の視覚言語を構築している。
作品の制作から鑑賞までを一つのプロセスと捉えている。鑑賞者が作品と向き合うとき、自身の知識・感性・経験が交差し、誰にも同じではない「自分だけの答え」が生まれる。異なる答えを知り、受け入れることが知見を広げ、人生を豊かにする——そう信じているからこそ、私は答えを提示しない作品を作り続ける。

bottom of page